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ALS当事者:深瀬和文さんによる特別講義を実施しました!! - トピックス – 作業療法学科 – 北海道文教大学

ALS当事者:深瀬和文さんによる特別講義を実施しました!!

2018年08月29日

2018年前期、3年生の身体障害作業療法学実習の授業で、特別講義を実施しました。

講師は、一般社団法人日本ALS協会・理事の深瀬和文さんで、ここ10年ほど毎年、特別講義をお願いしています。

 

深瀬さんは、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis、ALS)という神経変性疾患を患っていらっしゃいますが、全身の重篤な筋肉の萎縮と筋力低下が進行しながらも、強い信念を持ち、当事者団体のリーダーを務められている方です(気管切開されていて発声はできません)。

講義は、深瀬さんご自身がパソコンで作成したパワーポイントを映写し、自身で作成された文章を付添いの介護福祉士の方が朗読する方法で実現しています。この方法で、この病気を発症されたころの心境、ご自宅での24時間介護体制を役所と交渉して実現した経過、現在の当事者団体での活動、ご家族との普段の生活などを、ユーモアを交えて学生に講義していただきました。

 

また、介護福祉士の方との口文字盤を使った流暢なコミュニュケーションを実際にお見せいただき、学生が深瀬さんに対面して、その方法をすぐに練習させていただく場面もありました。学生たちは、この貴重な体験を通して、作業療法士をはじめとする医療職が口文字盤によるコミュニケーション法を習得することが、ALS患者さんの生活を豊かにする上で非常に役立つことを理解していました。自宅では意志伝達装置(視線入力型意思伝達装置マイトビー:C15Eye)なども使用されていますが、外出先などでは、何も用意する必要のない口文字盤法が非常に便利とのことです。

 

深瀬さんが入院する時には病院と交渉して、口文字盤によるコミュニケーション法に慣れた介護福祉士の付き添いを認めてもらったお話しや、航空機に乗って東京の会議に出かけるというお話しに、学生たちは真剣な眼差しで聞き入りました。ALSの患者さんは、深瀬さんのように精力的にあきらめずに周りに働きかけ、活動し続けている人ばかりではないので、患者さん一人一人の気持ちに寄り添うことを忘れないでほしいとのアドバイスもいただきました。

 

深瀬さんの講義によって学生たちに伝授されたのは、将来、作業療法士になったとき、ALSの患者さんに勇気をもって寄り添える逞しさなのではないかと思います。また、生活場面で患者さんに身近に付き添う介護福祉士と言う、なくてはならない他職種への敬意の念も自然に心に残ったと思います。最後の記念撮影では笑顔の多い学生たちでした。

(2018年8月20日 文責:渡辺明日香)