
カリキュラム
理学療法学科の授業カリキュラム
理学療法学科の授業カリキュラムは、1年生の教養科目を含めた基礎科目から学習し、4年生までの臨床実践と応用を学習できるように構成しています。充実した教授陣とカリキュラムで、理学療法士をめざす学生を強力にバックアップし、感性が豊かな学生を育てます。
教養科目
教養科目は科学の基盤となる科目です。「人間と文化、自然と科学」、「外国語」など6分野28科目で構成されています。自然と科学の分野では情報処理能力やプレゼンテーション能力を養います。外国語は、北海道文教大学の特色である英語Ⅰ〜Ⅲを開講させるとともに、中国語、ロシア語、さらに「海外・研修」も選択科目として設けています。
情報処理Ⅰ、Ⅱ【1年生】(担当: 松岡 審爾 教授)
大学におけるレポート作成にとどまらず、医療人になってから研究を進める際に表計算ソフトを自由自在に使いこなせることは必須です。また、さまざまな発表のときにプレゼンテーションソフトは今や使用できて当然とされています。現在では高校までにこれらのソフトを使用する機会が多くなっていますが、まだまだ使用していない便利な機能が多くあります。本授業では、これらのソフトの「完全マスター」ができることをめざします。
専門基礎科目
理学療法を行う上での、知識や技術を習得するための基本となる科目です。「人体の構造と機能、および心身の発達」、「疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進」、「保健・医療・福祉とリハビリテーションの理念」の3分野31科目で構成されています。「人体の構造と機能、および心身の発達」では実習科目を多くすることで、基本的な解剖・生理の知識を習得します。「疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進」では疾患の成因、病態、評価、治療を理解します。さらに当大学の特色である「臨床栄養学」を選択科目とし、食生活と栄養面から、障害を持つ人への栄養サポートを理解し、リハビリテーションの概念を包括的に理解できるようにしています。
生理学Ⅰ【1年生】、Ⅱ【2年生】(担当: 木村 一志 教授)
複雑な人体の生理機能のうち、生命活動を維持するために必要な体液・血液と循環・呼吸、消化と吸収・排泄、ホルモンの機能について、解剖学の知識を活用しながら学習します。また、神経細胞の構造と神経系の成り立ちを理解し、神経情報伝達メカニズムの重要性を学習します。これらの学習を通して、外界の環境変化や人体内部の変動に呼応して、生体が反応する仕組みを理解し、説明ができることを目標に授業を行います。
機能解剖学実習【2年生】(担当: 池野 秀則 准教授)
1年次の機能解剖学実習で学んだ骨学・筋学の知識とご遺体の解剖見学を通して、中枢神経である脊髄・脳の働き及び神経の伝導路について、模型などを用いて学習します。それにより、人間が目的を持って運動(行動)する時にどのような神経の経路を通って、どの筋肉を収縮させるのか一連の流れを理解します。また、人体骨格のポイントとなる突起部分等を触診しながら、運動学的視点を踏まえて形態学的理解を深めていきます。
専門科目
理学療法の専門性を高めるための専門科目は、臨床経験が豊富な当学科教員が担当する最も重要な科目です。「基礎理学療法学」、「理学療法評価学」「理学療法治療学」、「地域理学療法学」「臨床実習」の5分野42科目からなります。基礎理学療法学では理学療法の基本を学ぶとともに、科学的根拠に基づいた理学療法実践の方法を、理学療法研究を通して学びます。特に「理学療法治療学」では、各種疾患に対する専門的な理学療法の理論と実践を習得します。
理学療法評価学Ⅰ【2年生】(担当: 斎藤 正美 教授)
理学療法評価学実習Ⅰでは、専門基礎科目の解剖学、生理学、運動学などで学んだ知識を疾患特有の現象として実習を通じて科学的に評価することを学びます。また、患者との接し方、コミュニケーションも含め、学生双方で経験することにより、相手の立場を洞察し、観察力を養うことも体得します。
発達障害理学療法学【3年生】(担当: 横井裕一郎 教授)
講義は、発達過程で起こった障害を持つ子ども~大人の障害特徴と理学療法について学習します。対象は、脳性麻痺などの神経系の障害や、ダウン症などの精神運動発達遅滞、ハイリスクな新生児などです。実習は、障害を持つ子どもの評価から治療方法まで学習します。また学外の発達支援センター、特別支援学校、肢体不自由児施設にて、実習を行い、実践的な臨床能力を養います。
運動器障害理学療法学【3年生】(担当: 田邊 芳恵 教授)
整形外科領域の代表的な疾患について部位別、疾患別に障害の評価や診断および理学療法を含む治療法について学習します。実習では主な疾患に対する運動療法の基本的な技術を学生同士で実際に行い習得し、その障害例に対する評価や問題点の把握、治療手技の選択や治療プログラムの立案を系統的に実施する能力を養います。
神経障害理学療法学【3年生】(担当: 西村 由香 准教授)
脳卒中やパーキンソン病などの中枢神経障害の理学療法について学習します。脳の障害は多様な障害像を呈しますので、脳の機能解剖や疾病によって生じる機能障害および能力障害を理解し、必要な理学療法評価、運動療法、動作訓練、ゴール設定などについて学習します。その人らしい生活が送れるように理学療法の展開を考えていきます。
理学療法学科 カリキュラム
卒業要件(124単位) | 1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | |
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教養科目 | 総合領域 | ||||
人間と文化 | 心理学概論 総合教養講座 文章表現 |
食生活論 人間と住居 |
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社会と制度 | 日本国憲法 現代社会と福祉 |
現代社会とキャリアプラン | |||
自然と科学 | 生命科学 情報処理I 情報処理II 統計の基礎 物理学 |
基礎化学 | |||
外国語 | 英語I 英語II 中国語I 中国語II ロシア語I ロシア語II |
英語III | |||
スポーツと健康 | 生涯スポーツI 生涯スポーツII |
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専門基礎科目 | 人体の構造と機能及び 心身の発達 |
人間発達学 解剖学I 解剖学II 生理学I 運動学I リハビリテーション工学 |
生理学II 解剖学実習 生理学実習 運動学II 運動学実習 |
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疾病と障害の成り立ち及び 回復過程の促進 |
精神医学I リハビリテーション医学 |
病理学 内科学 整形外科学 神経内科学 小児科学 精神医学II 老年医学 臨床心理学 臨床栄養学 言語障害治療学 |
薬理学 救急医学 |
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保険医療福祉と リハビリテーションの理念 |
医学概論 リハビリテーション概論 公衆衛生学 |
統計と社会調査法 チーム医療概論 |
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専門科目 | 基礎理学療法学 | 理学療法概論 機能解剖学実習 |
運動生理学 病態運動学 |
理学療法管理学 理学療法研究法 理学療法研究セミナー 医療統計学 |
理学療法研究I 理学療法研究II |
理学療法評価学 | 理学療法評価学 | 理学療法評価学実習I 理学療法評価学実習II |
高次脳機能障害学 | ||
理学療法治療学 | 物理療法学 基礎運動療法学 |
物理療法学実習 義肢装具学 義肢装具学実習 運動器障害理学療法学 運動器障害理学療法学実習 神経障害理学療法学 神経障害理学療法学実習 内部障害理学療法学 内部障害理学療法学実習 発達障害理学療法学 発達障害理学療法学実習 日常生活活動学 日常生活活動学実習 理学療法技術セミナーI 理学療法技術セミナーII |
理学療法総合セミナー 理学療法技術セミナーII |
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地域理学療法学 | 生活環境学 | 高齢者理学療法学 地域理学療法学 地域理学療法学演習 |
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臨床実習 | 見学実習 | 評価実習I | 評価実習II | 総合臨床実習I 総合臨床実習II |
臨床実習について
医療従事者を目指す者にとって、最も重要な教育課程と位置づけられているのが臨床実習です。
本学科では充実した臨床実習をはじめ、豊富な体験のもとで実践的な学修をおこないます。
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 |
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見学実習 1週間(40時間) 実習前後指導5時間 |
評価実習I 2週間(80時間) 実習前後指導10時間 |
評価実習II 3週間(120時間) 実習前後指導15時間 |
総合臨床実習I・II 各6週間(計480時間) 実習前後指導各30時間 |
リハビリテーション医療および理学療法を間近で見学し、実際の医療の世界にふれます。 | 講義や実習で学んだ、障がいの状態を知るための評価手技の臨床応用を試みます。実践で感じた問題点や疑問点を通して、知識・技術の理解を深めます。 | 評価実習Iで得た課題をふまえ、障がいの問題点や、どのようなニーズがあるのかを学びます。評価手技の実施を通して、障がいの意義を理解し、系統的な評価法についても理解を深めます。 | 主要な障がいについて、一貫した理学療法を体験し、変化に対する適切な治療内容の変更や経過の観察と、治療結果に対する考察を行います。対象者と接する中でしか体得できない実践的な能力を養います。 |